骨盤のゆがみ2
- 骨盤のねじれは、特に女性の方は、気になる部位の一つでしょう。
ねじれを”回旋”と表すこともありますが、要はねじれのことです。仰向けに寝た状態で、上前腸骨棘(じょうぜんちょうこつきょく)の
位置が反対のそれよりも前方にある。
仰向けなので天井方向に近い。
この場合、骨盤の回旋があります。右の上前腸骨棘が左のそれより高い場合は、左回旋です。
左の上前腸骨棘が右のそれより高い場合は、右回旋です。上前腸骨棘を見てみましょう。
下のイラストは、骨盤を前から見たものです。
緑色に着色してある骨は、左の腸骨です。
赤丸で囲ってある箇所は、左右の上前腸骨棘です。
ウエストの前側で少し出っ張っている箇所が上前腸骨棘です。右回旋の骨盤の場合、つま先は大概つられて右を向きます。
左回旋の骨盤の場合、つま先は大概つられて左を向きます。
しかし、この考え方は大雑把で例外も多々あります。右回旋の骨盤の場合、左の上前腸骨棘が前方(お腹側)に出ますので
そこを触れると違和感か痛みを感じます。
左回旋の骨盤の場合、右の上前腸骨棘が前方(お腹側)に出ますので
そこを触れると違和感か痛みを感じます。右回旋の骨盤の場合、仰向けで寝ますと右のお尻がベッド面に対して
当たりが強くなります。
左回旋の骨盤の場合、仰向けで寝ますと左のお尻がベッド面に対して
当たりが強くなります。
いずれの場合も、腰のおさまり、落ち着き具合に影響が出ますので、
ゆがみが顕著なほど睡眠が浅くなります。骨盤のゆがみが整うほど、ベッド面に対して身体が張り付きます。
余分な力は抜け、入眠は早く熟睡できます。うつ伏せに寝た状態で、腸骨稜(ちょうこつりょう)の
位置が反対のそれよりも低い位置(お腹側)にある。
うつ伏せなので床方向に近い。
この場合も、骨盤の回旋があります。右の腸骨稜が左のそれより低い場合は、左回旋です。
左の腸骨稜が右のそれより低い場合は、右回旋です。腸骨稜を見てみましょう。
下のイラストは、骨盤を後ろから見たものです。
緑色に着色してある骨は、左の腸骨です。
赤丸で囲ってある箇所は、左右の腸骨稜です。
ウエストの後ろ側で少し出っ張っている箇所が腸骨稜です。うつ伏せの状態で、上前腸骨棘とベッドとの隙間を調べる方法もあります。
例えば、右より左の上前腸骨棘がベッド面に対して隙間が広い場合、
その骨盤は、左回旋です。
逆に、左より右の上前腸骨棘がベッド面に対して隙間が広い場合、
その骨盤は、右回旋です。骨盤は、顔面骨では主に頬骨と関係が深いです。
骨盤が右回旋の場合は、頬骨は左回旋、
骨盤が左回旋の場合は、頬骨は右回旋である事が多いですが、
稀に同じ回旋方向の場合もありますので、毎回の触診検査が
重要になります。頬骨の左右のゆがみを調整することで、骨盤のゆがみを調整出来る
方法もあります。骨盤の開閉について。
仰向けで骨盤をお腹側から診てお腹の真ん中に架空の縦線を引きます。
上の写真の緑色で囲ってある箇所が、左右の上前腸骨棘の位置です。
上前腸骨棘が、架空の縦線から近い時は、その寛骨は閉じています。
上前腸骨棘が、架空の縦線から遠い時は、その寛骨は開いています。右の寛骨が閉じる場合もあれば、左の寛骨が閉じる場合もあります。
左右の寛骨が閉じている骨盤もあれば、左右の寛骨が開いている
骨盤もあります。うつ伏せでの骨盤の触診検査と仰向けでの骨盤の触診検査は
必ず同じ回旋方向とは限りません。例えば、うつ伏せで骨盤が右回旋の場合、直ぐに仰向けで調べてみますと
左回旋である場合もあります。これは、骨盤自体の重さ(自重)の影響を受けているか、
または、うつ伏せから仰向けにひっくり返る時に
必然的に入る身体のねじれが影響しているものと考えています。症状が軽度で、うつ伏せが可能な場合は、うつ伏せで骨盤を調整して
仰向けで再度、骨盤を調整する必要があります。
うつ伏せで整えるだけでは不十分でしょう。症状が顕著でうつ伏せも仰向けも辛い場合は、
ベッドに腰掛けて頂き、座ったままで施術する事もあります。
その場合も、症状は徐々に落ち着き施術の後半からはベッドに
横になれるようになります。症状の程度に合わせて施術を行うことは、いずれの場合も大前提です。