手と腰
- 何故、この場所とこの場所が繋がっているのか?
常日頃から整体をしている先生方でも説明のつかない事が
多いのが、人体の不思議な所です。骨盤や腰椎にゆがみがある方は、手の甲にもそれが現れます。
腰骨がいびつなほど、手首の形もいびつなものです。お年寄りの腰骨は、加齢とともにいびつな場合が多いですが、
やはりそれは手首の形にも出ています。具体的には、手の甲の手首側、手根骨(しゅこんこつ)に当たります。
指と手根骨の間にある中手骨(ちゅうしゅこつ)も該当します。それぞれを取り出してみましょう。
下のイラストは、指の骨を取り除いた手首と手の甲の骨です。
右手を手の平側から見たものです。
緑色に着色してある骨は、親指の中手骨です。
中手骨は、手の甲の形を作る骨です。特に薬指と小指の付け根の中手骨の左右の動き方に癖がある場合、
うつぶせでの背中の左右の盛り上がり方や強いては側弯症などに
影響が出ます。下のイラストの緑色に着色してある骨は、小指の中手骨です。
その隣の骨は、薬指の中手骨になります。
右手を手の平側から見たものです。手首側の細かな骨である手根骨(しゅこんこつ)を固定して
中手骨をつまんで実際に捻り、その塩梅を確認する必要があります。手根骨に対して、この中手骨がどちら側に捻りにくいか?
それを確かめる事で手のゆがみ方の癖を知る事が出来ます。
左右対象でないか、片方の手のみにゆがみが出ている場合は、
調整している方が良いです。
それは大まかな腰の施術にも繋がります。手根骨は、大まかに骨盤に見立てることができます。
手根骨は8つありますが、それぞれの骨の位置を把握することで
骨盤を調整する事が出来ます。下のイラストは、右の手根骨を手の平側から見たものです。
緑色に着色してある骨は、有頭骨(ゆうとうこつ)という骨です。
手根骨は、8つあります。整体の先生方でしたら、手根骨に触れることで
手根骨のどの骨がどちら側へどの程度ずれているかを
見極めることは容易いでしょう。手根骨の大きなずれは、手首痛、手を付けない、腱鞘炎など
具体的な痛みに繋がります。長時間のデスクワークでマウスを握るなど、
手を握りこむ作業が多い方は手根骨と中手骨がゆがみやすいです。また最近では、スマホやタブレット端末などを
四六時中握りっぱなしで、ゲームやメールなどをしている
方も多いでしょう。
これらも間接的に腰痛の原因になります。いびつな手首はそうでない手首と比べて分厚いです。
形の良い手首は、フラットで上手く力が抜けています。また、親指のゆがみが、腰痛の原因である事もあります。
具体的には親指の隣り合う骨同士のねじれになります。上のイラストは、前腕の骨である橈骨と尺骨、手根骨の一部、
親指の中手骨と指骨を取り出したものです。
右の親指を手の平側から見たものです。緑色に着色してある骨は、親指の中手骨です。
その右側にある骨は、手根骨の一つである、
大菱形骨(だいりょうけいこつ)です。
そのさらに右側にある骨は、舟状骨(しゅうじょうこつ)です。
親指の中手骨の左側にある骨は、指骨の一つです。
その先にもう一つありますね。これらが隣り合う骨同士で相互にバランスを取りながら
ねじれ合うことで、親指の軸がずれ、その結果、
腰椎と仙骨がねじれます。
親指は、腰椎や仙骨を含めた身体の正中軸を現します。
親指のねじれを取ることで、腰と仙骨を調整する方法は、
極めて有効です。