肩の腱鞘炎
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肩の腱鞘炎は、いわゆる四十肩・五十肩の一つです。
肩の関節の前側が痛い。
だるさ・刺すような痛み・激痛・熱を持つなどあります。
肘を伸ばしたまま、腕を前に上げていくと肩の前に
痛みが出る事があります。
時には、安静にしていても疼くこともあります。腱鞘炎は、
手首と指に多いのですが、
肩の前側にも力こぶの筋肉の腱の端っこのところが
鞘(さや)で包まれている部分がありまして
そこで炎症が起きる腱鞘炎ということになります。
上腕二頭筋長頭腱腱鞘炎(ちょうとうけんけんしょうえん)
と言います。
力こぶの筋肉は、上のイラストの赤い部分です。
痛みの出る方とそうでない方がいるのはなぜでしょう?
間違いありませんが、症状が出る方には
いくつかの特徴がありますのでご紹介します。1
つ目は、肩の前が出っ張っている関節をお持ちの方が多いです。
肩の前の出っ張り具合を左右で触れて比べてみますと、
差があります。
肩の関節は構造上、後ろにずれることは少ないです。
仰向けに寝て、肩の後ろの隙間が大きいほうが、
肩が前に出ていることになります。
いわゆる巻き肩です。
力こぶの筋肉を上腕二頭筋(じょうわんにとうきん)と言いますが、
摘んだり押したりして左右の力こぶの筋肉の固さを
比べてみてください。
あまりにも固いと、腕をぶら下げているだけで辛い事もあります。
力こぶは、肘を曲げると膨らみ、更に手のひらをそのまま
外側に捻ると最大収縮します。筋トレなどで力こぶを鍛えるときは、
小指側を手前にひねりながら、肘を曲げる動作を行うことで
筋肉がつきます。
力こぶの筋肉は、腕をだらんと力まずに伸ばした状態で、
反対の手か第三者に軽く摘むように2~3回揉んでもらうと
緩みます。
応急処置として氷嚢などで冷やすことも1つですが、
根治療法ではありません。
肩甲骨は背中に張り付いていて、肋骨の後ろ側を滑るように
動くのが普通です。
腕を使うときに肩も一緒に動きますが、
同時に肩甲骨も肋骨の後ろ側を滑るように動きます。
肩甲骨の正常な動きがなければ、腕を真っ直ぐ上に
上げることは出来ません。肩甲骨の動きが少ない人は、支点となる肩にその分の
負担がかかるので同じ動作や仕事をしても効率が悪く
早く疲労します。普段から、ヨガやストレッチなどで肩甲骨の動きを
意識している方は、肩の前に痛みは出ないでしょう。