手足の動きと頭位の関連性
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手首の動き癖が身体に悪影響をもたらすことは
整体施術を常日頃行う上で体感しています。実際に手首の可動域を正常化することで
手首以外の身体の他の部分の筋骨格的な歪みを正すことは容易です。首の詰まりは手首の詰まりを意味し、その反対も然りです。
手首の可動域の癖は、手首の動き方向に準じ
手首周囲の細かな骨の配置バランスと前腕のねじれ方により
その影響を受けます。
手首の動き方向には、・手首を起こす、背屈(はいくつ)
・手首の下げる、掌屈(しょうくつ)
・手首を親指側に傾ける、橈屈(とうくつ)
・手首を小指側に傾ける、尺屈(しゃっくつ)
・掌を上方向に捻る、外旋(がいせん)
・掌を下方向に捻る、内旋(ないせん)
以上の6つがあり複合的にその動きの癖を作ります。
手首の動きと他の部位、例えば頭位を考える場合、
手首を下げると同側の首が詰まり窮屈になります。首が詰まる意味は後頭部の下方変位です。
後頭部が足元方向に下がることで首が詰まります。
「首が詰まる」と言うフレーズはあまりいい気がしませんね。例えば、右の手首に上記のような関節可動域の癖があり
左の手首には癖が全くないとしますと
目線を上に向けて見上げるように頭を後ろに倒しますと
真っ直ぐに見上げた目線は自ずと左上を向くでしょう。逆に左の手首に癖がありますと目線は右上を向くでしょう。
手首を下げて同側の後頭部を下げると反対側の後頭部は
逆に広がり結果として首が傾き目線が偏るのです。手首を下げる行為は頭を上げる事と同じ意味で
目線を見上げて顎先を上げる行為でもあります。
両手首を下げますと頷き難くなります。それは足首でも同様に起こり、
両足首を曲げて爪先を遠くにしますと
後頭部は頭頂方向に上がります。眼球は、手首を甲側に起こして曲げると
上目線が楽にできるようになり
手首を掌側に曲げますと足元が見やすくなります。足首を曲げてつま先を遠くにしますと
眼球を下方向に動かし易くなります。
その逆はもうお分かりですね。興味深いのは、片手足のみの動きと両手足を
逆方向に曲げた時とでは後頭部などの
頭の動く方向が逆になるということです。右の手首を下げて左の手首を甲側に起こしますと
右の後頭部は上り左の後頭部は下がります。右の手首だけを下げて左の手首は何もしないで
脱力の場合、右の後頭部は下がります。右足のつま先を遠くに伸ばし左足のつま先を起こしますと、
右の後頭部は上方向に上り左の後頭部は足元方向に下がります。逆に左足のつま先を遠くに伸ばし
右足のつま先を起こしますと左の後頭部は上方向に上り
右の後頭部は足元方向に下がります。例えば頭痛の原因が病院でわからず、
整体にて頭の歪みが原因と見定め
その歪みを取り除きバランスをとることで頭痛が治る場合、
その方法を手首足首の関節可動域の癖をとることで
調整を行うことが可能であるとするならば、
生活習慣や外傷による手足の癖が慢性頭痛の原因に直結している
と考える方が自然でしょう。