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顎関節症の縦軸と横軸

顎関節症の整体施術に於ける縦軸と横軸の解説です。

顎関節症のための縦軸

側頭骨前部から下顎角までの縦軸

下のイラストは右側頭部です。

側頭骨前部から下顎角までの縦軸ラインはオレンジ色の線で示しており、その左右差をシンメトリーに施術することが望まれます。

側頭骨前部は耳穴から数mm前方の陥凹部で側頭骨前部中部になります。
側頭骨前部上部は側頭骨前部中部の5mm上、側頭骨前部下部は側頭骨前部中部の5mm下になります。
側頭骨前部の上部・中部・下部の左右6箇所をシンメトリーにします。

側頭骨前部下部の数mm下にある骨状の膨らみは頬骨弓の後部です。
因みに頬骨弓の前部は頬骨の側面部にあたります。

頬骨弓後部の膨らみの数mm下の陥凹部内には関節円板があり、更にその数mm下に下顎頭が位置します。
下顎頭の数mm下が下顎頚、その数cm下に下顎角があります。

側頭骨前部の3分割と同様に頬骨弓後部の3分割、関節円板の前後の2分割、下顎頭の上下の2分割、下顎頚から下顎角までの3分割(下顎頚・8番歯・7番歯:下顎角上部)・下顎角中部・下顎角下部(6番歯)の体表解剖に基づいた歪みの把握がオレンジ色の縦軸内に含まれます。

側頭骨茎状突起から頚椎までの縦軸

下のイラストは右側頭部です。

側頭骨茎状突起から頚椎までの縦軸ラインはオレンジ色の線で示しており、その左右差をシンメトリーに施術することが望まれます。

側頭骨茎状突起はつまようじの先端に似た大きさで舌骨や咽頭を支える筋肉の起始部です。

側頭骨茎状突起は乳様突起の前方陥凹部内にあり第1頚椎横突起はその数mm後下方にイメージします。
側頭骨茎状突起は上部・中部・下部、前後と6分割(左右で12分割)して歪みを見極めます。
側頭骨茎状突起の前部は上顎骨、後部は下顎骨に相関しています。

頚椎の配列とその整合性は大まかには横突起と棘突起で確認します。
横突起は前後の結節があり横突起の真横と合わせて触診に気を配る必要があります。

特に上部頚椎は顎関節の機能に深く関わります。
口の開閉と連動する後頭骨は後頭下筋群を介して上部頚椎と密に繋がります。
他の頚椎と合わせて慎重に施術します。

頚椎のそれぞれは同じ番号の歯と相関します。
歯と頚椎の落ち着きは同じ意味です。

側頭骨後部の縦軸

下のイラストは右側頭部を斜め後ろから見たものです。

側頭骨後部の縦軸ラインはオレンジ色の線で示しており、その左右差をシンメトリーに施術することが望まれます。

側頭骨後部の上部は側頭骨鱗部の後部に当たりアステリオンも含みます。
側頭骨後部の中部は耳の真後ろ、側頭骨後部の下部は乳様突起です。
側頭骨後部は隣り合う後頭骨の回旋歪みと合併している事が多く合わせて施術することが望ましいです。

乳様突起に停止する胸鎖乳突筋、側頭骨乳突切痕に起始する舌骨上筋群の顎二腹筋後腹など臨床上重要な筋が付くことからも側頭骨後部下部のシンメトリーの重要性がわかります。

顎関節症のための横軸

頭蓋顔面骨の左右の高さ違いは同時に顎関節を含めた右半身と左半身の上下の歪みを意味します。

  • 耳の高さが左右で違う
  • 肩の高さが左右で違う
  • 目の高さが左右で違う
  • 眉毛の高さが左右で違う
  • 口角の高さが左右で違う
  • ウエストと腰骨の高さが左右で違う
  • 膝の高さが左右で違う
  • 足の長さが左右で違う
  • 肘や膝の伸びが悪い

頬骨弓の横軸

下顎頭の数mm上に頬骨弓があります。

下のイラストは、左の頬骨弓を示したもので緑色に着色してある骨は頬骨です。

頬骨弓の前方は頬骨、後方は側頭骨で内側には筋突起が収まります。

頬骨弓と下顎頭の間には関節円板がありそれぞれ個別に歪みます。
頬骨弓の下方変位は概ね同側下顎頭の下方変位と同じです。
左右の頬骨弓の高さを合わせることは下顎頭の高さ調整に直結します。

下顎骨の横軸

下のイラストは、下顎骨の横軸ラインを示しています。
下顎頭・下顎角・下顎先がありそれぞれの左右の高さを確認します。
優先的に側頭骨を含む頭部の調整を行い下記の3つの横軸ラインの高さを揃えます。
下顎歯の1番歯から8番歯までの該当する歯槽骨の歪みは体表からの確認と施術が可能です。

下顎骨(下顎枝)の高さの相違は頚椎の左右の横突起の高さの相違と合併して癖付いていることが多くそれらも含めて施術する事が求められます。

上顎骨の横軸

上顎骨の上下の歪みは歯の接触癖に直結し、同時に鼻筋の歪みを作ります。
鼻詰まりや鼻の閉塞感、蓄膿症、鼻中隔弯曲症などは上顎骨の歪みが顕著です。

下のイラストは、左の上顎骨を斜め前方から見たもので緑色に着色してある骨は頬骨です。

上顎骨の歪み調整は、上部(眉間)・中部(中鼻甲介)・下部(歯槽骨)の3分割に分けて行います。
理由は3箇所で歪み方が異なるからです。
上顎歯の1番歯から6番歯までの該当する歯槽骨の歪みは体表からの確認と施術が可能です。

環椎後頭関節の横軸

後頭骨と第1頚椎の接合部は水平こそ理想で後頭骨から上部頚椎の頑なな歪みは顎関節症の根本的な一因になります。
開口時、後頭骨は連動して下方に動き、嚥下時、後頭骨は連動して上方に動きますが、いずれも構造上環椎後頭関節の安定の上にこれらの正常な機能が成り立つことを念頭において施術する必要があります。

下のイラストは、後頭部で緑色に着色してある骨は第1頚椎です。
環椎後頭関節の理想的水平横軸ラインはオレンジ色で示しています。

舌骨

舌骨のアシンメトリーは、顎関節から喉にかけて違和感をもたらします。

上のイラストは、喉を右斜め下から見上げたもので青色に着色してある骨が舌骨です。
舌骨は顎先の真後ろにありその位置を確認出来ます。
舌骨は舌骨筋群を上下に隔て下顎と咽頭の安定を図ります。
舌骨をシンメトリーにすることは喉の違和感と顎の落ち着きに関与します。

縦軸と横軸の優先順位

縦軸は回旋歪みを、横軸は上下歪みを意識した考え方です。(例外あり)

頭蓋顔面骨や頚椎は構造上、上下歪みより回旋歪みに適応していることは解剖をイメージすればわかります。
顎関節症が重症化する歪みは回旋歪みより上下歪みということになり、優先的に上下歪みを理想的横軸を目的に施術することが望ましいと言えるでしょう。

まとめ

  • 顎関節症の整体施術は頭蓋顔面骨のそれぞれの縦軸と横軸をシンメトリーにする。
  • 縦軸は、側頭骨前部から下顎角・側頭骨茎状突起から頚椎・側頭骨後部などがある。
  • 横軸は、頬骨弓・下顎骨・上顎骨・環椎後頭関節などがある。
  • 頭蓋顔面骨や頚椎は構造上、上下歪みより回旋歪みを想定しているので上下歪みの方が重症化する。

頭・顔・顎

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