歪み例 肩の下がり
歪みの解説
肩の高さ違いは、鎖骨・上腕骨の骨頭(こっとう)・肩甲骨・上腕などの歪みを体表解剖に基づき読み取る必要があります。
下のイラストは右肩を前から見たもので水色に着色してある骨は、鎖骨・肩甲骨・上腕骨(じょうわんこつ)です。
肩の下がりを整体で施術調整する場合は、これらの位置の確認と合わせて肋骨・胸骨・頚椎(けいつい:首の骨)・頭蓋顔面骨などを診る必要があります。
下のイラストは歪み例です。
鎖骨・肩甲骨の上半分・烏口突起(うこうとっき:赤丸印)・上腕骨の骨頭が身体の内側に向けて歪んでいます。
肩甲骨の下半分は外側に歪むことで肩甲骨自体が円を描くように癖付いています。
上腕骨自体は周囲筋と共に肘側に下がる歪みを呈します。
左半身の肩周りはこれらとは逆の方向に歪むことで両肩の左右差を生じる結果となります。
鎖骨
鎖骨は内側と外側で、また、上縁と下縁で歪み方が異なります。
左右にある鎖骨の詳細な歪みを見極めることで痒いところに手が届く施術を行うことができます。
鎖骨の他部位への影響は、頚椎(けいつい:首の骨)・頬の外側の凹凸・頭のハチの形状・あばらの凹凸・爪先の向きなどです。
烏口突起(うこうとっき)
赤丸印の烏口突起はカラスの口の形に似ていることからこの名称が付いています。
左右の烏口突起のアンバランスを確認することは大まかに身体全体の左右バランスを整えることにつながります。
体表解剖に基づき烏口突起の歪みを細かく把握する場合は9分割し、つながりのある他部位への影響を確認します。
烏口突起は、頭では側頭部・こめかみ部・顎、骨盤では恥骨、足では甲の高低差などに影響します。
上腕骨の骨頭(こっとう)
概ね、上腕骨の骨頭が内側に歪む時、肩甲骨は外側に歪みそのバランスを保ちます。
上記の歪み例の様に同じ方向に歪むことも稀にあります。
上腕骨の骨頭の他部位への影響は、頭の向き・顎関節・股関節・すねの向きなどです。
股関節や顎周りに痛みや違和感を感じている方は上腕骨の骨頭に歪み(左右差)があります。
肩甲骨
肩甲骨の落ち着きは背中の形を決めます。
概ね肩甲骨の下半分が外側に歪む時、同側の上腕骨の骨頭は内側に向いて巻き肩になります。
肩甲骨の他部位への影響は、側頭部・骨盤(寛骨:かんこつ:ウエストの骨)・こめかみ部・かかとの向きなどです。
まとめ
- 肩甲骨・鎖骨・上腕骨などの左右差は腕や肩の周囲筋群の歪みを作り、肩こり・巻き肩・腕の倦怠感などの症状を生む。
- 首や肩を無闇矢鱈に揉む事で筋膜が歪みかえって悪化する。