骨盤のゆがみ1
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寛骨(かんこつ)は、骨盤の左右の骨です。寛骨は、腸骨(ちょうこつ)・坐骨(ざこつ)・恥骨(ちこつ)からなり、
癒合したものです。
下のイラストは、骨盤を前から見たものです。
緑色に着色してある骨は、左の腸骨です。骨盤の上の方にある骨で
ウエストを触るときに当たる骨です。
パンツがずり落ちないようにベルトが引っかかる骨ですね。
下のイラストは、骨盤を左側から見たものです。
緑色に着色してある骨は、左の坐骨です。坐骨は、椅子などに座るときに座面に当たる骨です。
肛門の真横辺りにあります。
骨盤にゆがみがあると、坐骨にかかる過重バランスに
左右差が生まれてゆがみが慢性化することもあります。
下のイラストは、骨盤を前から少し見上げたものです。
緑色に着色してある骨は、左の恥骨です。恥骨は、下腹と陰部の付近にある骨です。
お腹を下にたどりますと硬いところがあります。
それが恥骨の上の縁です。
おおよそ17歳くらいで3つの骨が癒合してひとつの寛骨となります。
イラストの左側がお腹側、右側が背中側です。
ここは臼状に凹んでいて太腿の骨頭がはまって股関節となります。
寛骨の3つの骨が癒合する中心部にあたります。
構造的観点からもイメージしやすいです。
骨盤を閉めると脚が閉じる傾向になります。
ガニ股の人は脚をまっすぐ出せるように歩けます。以上は、仙骨と尾骨を除いた骨盤のおおまかな説明でした。
骨盤のゆがみについて触れてみましょう。
以下は、
たとえば、右の寛骨が前に倒れますと、右の腰がそります。
左の寛骨が後ろに倒れますと、左の腰が引き腰になります。
左右の寛骨の傾き加減がアンバランスになるほど、腰痛になります。
下側は後方(背中側)に傾く状態になります。
他の骨と同様、ゆがみにより出っ張る骨の部分に痛みが出るのが通常です。
ですので、寛骨の出っ張っている骨の部分の痛みの有無で
その傾きを知る方法もあります。
指先で骨の出っ張っている箇所を少し押してみるなどして
圧を加えて痛みが出るかどうかを確認する方法が分かりやすいでしょう。
寛骨の傾きの程度に寄って、痛みの強さは変化します。
触れてみてこそばく感じるのは傾きが少しの場合です。
逆にじっとしているだけで痛い場合は、傾きが強い証です。
その場合は、歩行も困難でしょう。
痛みが出ます。
あるいは、下側では坐骨結節(ざこつけっせつ)に痛みが出ます。下のイラストは、左の寛骨を左側から見たものです。
緑色に着色してある骨は、寛骨の一部である腸骨です。
赤丸で囲ってある箇所は、上前腸骨棘です。
緑色で囲ってある箇所は、坐骨結節の後ろ側です。
寛骨が後ろに傾くと、腸骨稜(ちょうこつりょう)に
痛みが出ます。
あるいは、下側では恥骨結節(ちこつけっせつ)に痛みが出ます。下のイラストは、左の寛骨を左側から見たものです。
緑色に着色してある骨は、寛骨の一部である腸骨です。
赤丸で囲ってある箇所は、腸骨稜です。
緑色で囲ってある箇所は、恥骨結節です。施術者が服の上から触診しても良いですし、施術者がお客様に場所を
お教えして代わりに確認して頂く方法もあります。
例えば右の寛骨が前傾、左の寛骨が後傾しますと、
骨盤全体のゆがみがきつくなります。
その逆も然りです。
教え子をピアノの正面に座らせて先生はその隣でピアノに対して
斜めに構えますからねじれが入ります。
ゴルフ、テニス、野球など身体を一方向にひねる動作の多いスポーツも
考えられますが、骨盤よりも頭蓋骨や腕のねじれが出やすいです。
脚を長時間組むのもだめです。
脚を組んだ方が楽な場合は、寛骨のねじれが習慣化している証です。
脚を組み骨盤をねじれさせることで体幹が真っ直ぐになる癖が、
身体に染み付いているのです。
ですので、脚を組んだ方が楽に感じるのでしょう。
整体施術により、骨盤のゆがみを正しますと脚は組みにくくなります。
例えば、右の腸骨稜は頭方向に近く、左の腸骨稜は足首方向に近いなどです。
左右の腸骨稜の高さが上下に2~3cmもずれている場合もあります。
そんな場合は、痛みでうつ伏せが自然にできないか、腰をかばうために
わざとお尻を浮かせている方が多いです。
また、左右のお尻の形が違って見えるお客様もいらっしゃいます。