つま先とかかと重心
- 整体を語る上であがってくるテーマの1つに「重心」があります。
重心バランスですね。立っている時や座って何かの作業をしている時など
重心を足裏のどの位置に持って来ればいいか?日本人は農耕民族のルーツがある人種ですので
かかと重心が多いです。かかと重心の場合、骨盤は後ろ側に傾き背中はより背中側に出っ張り
それを補うために肩は前に巻いて猫背になります。
猫背になりますと肩と背中の筋肉の1つである僧帽筋が
横方向に外側に向けて引っ張られている格好になりますので
慢性的に肩が凝ります。猫背の方の目線は下向きになりがちなのでそれを補うために
顎を前に突き出して目線を上げますので首の背骨である頚椎も
お腹側に移動します。かかと重心の影響で足首も太くなり骨盤の後傾も相まって
お尻の下の方に肉がつきますのでウエストが目立たなくなり
脚が短く見えます。
典型的な日本人の体型です。つま先重心の場合、膝はまっすぐに伸びて骨盤は前に傾き
きっちりと出っ尻を作ることができますのでお尻が上がり
お尻の上の方に肉が付きますのでくびれが目立ち脚が長く見えます。股関節の位置が背中側に移動する事で腰の生理的彎曲が自然に保たれ
腰の負担が減ります。力まなくても自然に胸を張ることができますので肩が前に巻くことは無く
頭が胴体の上に無理無く乗りますので頚椎への負担もありません。若い女性が履き慣れていないハイヒールを引きずって歩いている姿を
時々目にしますが、その特徴は重心がつま先に乗っておらず
膝を少し曲げて歩くことで上半身のバランスを保っているのです。
しかしそれは格好の良いものではありません。
背中も丸まって背中が余計に背中側に出っ張っているのがわかります。座っている時でもつま先重心を意識することは理想です。
でも、踵が浮くほどつま先に重心をかけるとそれは先ほどの
無理やりハイヒール女子と同じ事になります。踵を地面や床に付けたままつま先に体重が乗っている意識が大切です。
歩くときもそれらを意識することで姿勢は変化します。狩猟採集民族であった欧米人の重心はつま先です。
獲物を獲得する時に重心がかかとに乗っていては
いざ狩りの時に半歩出遅れますのでいつまでも食事にありつけません。
それは種の絶滅を意味します。スポーツ全般に言えることですが、ボクシングでもボールを扱う球技でも
アクションを起こす段階ではつま先に重心がかかっています。
例えばジャンプをする時にかかと重心ですと飛べません。
膝を曲げて重心をつま先に掛けることで初動が可能になります。スポーツで使う筋肉はアスリートをイメージしますとわかりますが
かっこいい体型を生み出します。
本能的に見て良く感じる体型はつま先重心ですね。農耕民族は立ったまま一息つくときに重心を踵にずらしますが、
それは休みの姿勢ですね。