胸の痛み
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胸の痛みについては肋骨のゆがみを考える必要があります。
上のイラストは胸を前から見たものです。
第1~第8までの肋骨を示してありますが、
第12まであり左右で24個です。第1肋骨は鎖骨の下に潜り込んでいるので
直接触れる範囲は限られています。上のイラストでは鎖骨は取り除かれています。
肋骨のゆがみを取る事は
心肺機能・呼吸能力の回復に役立ちます。呼吸の深さは精神的なゆとりの幅に比例します。
思いつめるタイプの人ほど呼吸は浅く
肋骨の動きは少なく声が小さいです。
性格に影響します。上半身のシルエットと傾き、
そして、背中では肩甲骨が肋骨に張り付いていますので
肋骨のゆがみを取る事は肩甲骨の安定を図る事にもなり
同時に五十肩の治療にもつながります。
なぜなら腕を上げたり後ろにまわす行為は、
肩甲骨の完全な動きなしには出来ないからです。胸の背骨である胸椎(きょうつい)と肋骨、
胸の前にある胸骨(きょうこつ)で囲まれた中には
心臓や肺、食道、気管などが入ります。胸が苦しい、心臓が痛い、概ね悪いところは
本能的に自分の指で触ってしまうものです。肋骨に部分的な痛みなどがある場合、
肋骨を一つ一つ診る必要があります。何番目の肋骨のどの部分がどういったゆがみと
なっているのかを確認します。
下のイラストは、そのイメージです。黄色丸印のところに左右差があったり
凹凸や上下のゆがみがある場合、痛みとして現れます。上のイラストでは、左の第1肋骨と右の第2肋骨
左の第4肋骨に症状が出ています。例えば、第2肋骨が前に出っ張って触れるととがって
感じるなどはそれに対応する胸の背骨である胸椎のゆがみを
確認する必要があります。確認する胸椎は同じ番号の第2胸椎です。
仮に第3肋骨が痛む場合は、第3胸椎のゆがみを診ます。肋骨は背中からお腹側にまわって胸の中央についている骨で
背中側では胸椎と関節をなしています。肋骨にゆがみがあるということは関節をなす胸椎にも
何かしらのゆがみがある事でしょう。むしろ胸椎がゆがむことで肋骨がその影響を受けていると
考える事も出来ます。12個ある肋骨のうち第1・第11・第12以外は
同じ番号の一つ上の胸椎とも関節をなしていますので
例えば、第2肋骨の場合は第2胸椎とそのひとつ上の
第1胸椎も確認します。しかし、優先的に同じ番号の胸椎を確認する事で
間違いありません。第2肋骨の前がとがって感じるとき第2胸椎か
第1胸椎のねじれによって第2肋骨が押し出されていると
考えますと右の第2肋骨の場合、第2胸椎は左を向いている
形になります。(左回旋)例えますと、右肩が左肩よりも前に出るとき
上体は左を向きますよね。
この理屈と同じです。上体が左を向くことで右肩が前にでる。
第2胸椎が左を向くことで右の第2肋骨が押し出されて
肋骨の前がとがる。この場合、第2胸椎の棘突起は少し右側にずれます。
下のイラストは、そのイメージです。第2胸椎まででしたらお客様に身体を起こしていただかなくても
確認することが出来ます。
やりにくい場合は、側臥位(横向き)でもできます。複雑なゆがみですと、例えば第1から第2肋骨までの
左側が出っ張って、その一つ下の第3肋骨は右側が出っ張りながら
下方(足元方向)に下がってゆがんでいるなどあります。いずれの場合も対応する胸椎と肋骨のゆがみを照らし合わせて
調整する必要があります。