橈骨の変位
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橈骨(とうこつ)は、肘から手首までの親指側の細長い骨です。
上のイラストは、右腕を手のひら側から見たものです。
緑色に着色してある骨が橈骨です。橈という字は、橈(たわ)む、という意味です。
手首を内側にひねるとき、尺骨を軸にして
橈骨が尺骨に寄り添うように橈みながら巻き付くことで
手首を内側にひねる動作が可能になっています。もし、橈骨が割り箸のように真っ直ぐですと、
尺骨との間に隙間がなく、手首を内側にひねっていくと、
尺骨と干渉します。
尺骨と橈骨の隙間は、橈骨の橈みの分だけ確保されるのです。では、橈骨のズレ(変位)を考えてみましょう。
橈骨は、先ず下方にズレます。
下方とは手首方向のことです。
圧痛とは触ったり押したりしてみて痛みが出ることです。
手首付近の痛みが橈骨のズレが原因であることも少なくないです。
この場合は、肘側の橈骨の先端部分に圧痛が表れます。
・手を付けない。
・手首を曲げると痛む。
・指を開く(パー)と親指の付け根に痛みが出るか開きにくい。
・親指の腱鞘炎。
・ばね指
・手首のむくみや腫れが引かない。
医者に行ってもレントゲンではなんとも無いからと
シップだけ手渡されたお客様が何とかしてほしいと来院されました。
その場で8割の痛みは取れて腫れも熱感も消えました。症状があってもレントゲン画像上、骨に異常が無ければ
手首が腫れていても何も施術を施さない整形外科の限界もあります。
献体(死体)を解剖して発展してきた医学の限界ですね。
痛みの原因が骨のズレにある概念を持ち合わせていないのです。
しかし、生きた身体はイメージをはるかに超える動きや反応をします。
橈骨の手首側の先端部分が手の甲側へ出っ張っているようなときは、
そちら側にズレており圧痛が表れます。
そちら側に圧痛が現れます。
そちら側に橈骨がズレています。
ズレているわけではありません。
第1関節と第2関節の間の骨の親指側になります。
下のイラストは、右手首を手のひら側から見たものです。
ズレていますので、同側の手の薬指の上のイラストの赤四角印の部分、
親指側の第1関節から第2関節に向けて、
2回ほど反対の指先で優しく擦る刺激を入れて数分安静にしていますと、
橈骨が肘側へ動きます。
痛みが減らない場合や残っている場合は、
数分後に再度同じ刺激を入れてみるといいと思います。初歩的な刺激方法なので当院では殆ど使いませんが、
ご家庭で出来る自己整体法といったところでしょうか。