大は小を兼ねない
- 整体勉強会などで同業者と話す機会があります。
その質問の中で、例えばある骨を触診して
骨格の位置とゆがみを確認するのに
どの程度まで精度を上げて触診すればいいか?
という話題になることがあります。「先生はどういうつもりでその骨をどれくらいの
精度で診ていますか?」
と言うことなんです。例えば、頭蓋顔面骨の一つの骨を触診で確認する時に
その骨の位置にゆがみがあれば、正しい位置に導くのが
整体のお仕事。該当の骨の位置を大まかに整えることで良しとするか?
と言えば実際はそうではありません。その骨の中に細かなゆがみが発生している場合は、
同時に取り除く必要があります。精査するということ。
大まかに一つの骨を正すことと、
その骨の中の細かなゆがみを取り除く事とは別の問題です。大まかにゆがみを取り除く事でその中の
細かなゆがみも同時に施術出来れば
それに越したことはないですが、違うのです。先に細かなゆがみを取り除くと
大まかなゆがみを見落とすことにも繋がり危険です。大まかにゆがみを取って置いて、
次に細かなゆがみを精査して微調整して行く方が、
見落としもなく施術もスムーズであると考えています。さて、ここで言う細かなゆがみとはどの程度のものなのか?
手指や足趾(そくし:あしのゆび)については、
各関節ごとに診れば問題はないと思います。骨盤や肋骨、背骨も一つ一つを触診出来れば
問題はないでしょう。鎖骨や腕のねじれ、手首と手根骨の位置、
それらも体表解剖の範疇なので問題ないです。やはり難易度の高いのは頭蓋顔面骨でしょう。
当院では、顎のトラブルに悩むお客様が特に多いです。
口が開かない、顎が痛い。
または、頬の出っ張りが気になる。
頭の形が気になる。例えば、耳の周りの骨、側頭骨。
耳たぶの後ろの硬い場所から耳の真後ろ、
耳の上のところ数cmまでは側頭骨ですが、
高さ的には指7~8本分くらいの幅でしょうか。指一つ分、約1cm触れる場所が変わるだけで
左右のゆがみ方は変化します。
単純に7~8分割して診ると言う精度です。「点で診る」という言葉をよく使います。
同じ骨の中の同じ点でも左右で位置が違えばそれはゆがみです。側頭骨を1cm四方で分割すると、何分割出来るのでしょう。
その分割の数が触診検査する場所の数です。仮にそれらを先に調整したとしても大まかには
側頭骨全体が正しく調整されるわけではありません。大は小を兼ねない。
大も小も分けて別の視点で診る事が大切です。大まかに出っ張っている顔と頭を力技で押したり
ヘラでこすったりする小顔矯正が流行っていますが、
事故が多いのもうなずけるのです。