腰痛



  • 腰痛と言ってもそのタイプは様々です。
    なぜ腰が痛くなるのか?

    腰痛を起こしますと、殆どの方は自然治癒するまで待ちます。
    そのうち治るであろうと信じて2〜3日から1週間位は
    様子を見ます。

    概ね、自然治癒しますが、中には1週間様子を見ても
    痛みが引かない腰痛もあります。

    そこで仕方なく、整形外科を受診します。
    レントゲン撮影をして医師の診察を仰ぎますが
    そこに原因がある事は少ないです。
    医師と患者さんが診察室で首をかしげるパターンです。

    整形外科領域の常識では、腰痛の85%以上が原因不明です。
    言い換えますと、腰痛の原因の殆どはレントゲン写真の中に
    見当たら無いと言う事です。
    更に言いますと、レントゲン写真を診て原因がハッキリと
    わかる腰痛は重度の腰痛です。

    原因不明でも症状がある以上、湿布や痛み止めをもらえますが、
    整体的観点から見ますとトンチンカンな話です。

    痛みのある所に原因が無い事は、
    他のページでも繰り返しています。

    アメリカでは、レントゲン撮影をして原因が見当たらない
    タイプの腰痛は、カイロプラクターにその施術の一部を委ねます。

    現代医学の限界をカイロプラクティックがカバーするのです。
    それはシステム化されています。
    アメリカでのカイロプラクターは、医師と同等かそれ以上の立場に
    あります。

    国内では、整形外科にカイロプラクターや整体師が勤務して
    ドクターと対等に意見交換をしながら施術を行うシステムが
    殆どありません。

    日本とアメリカでは、腰痛の一つを取っても医療環境に
    差があります。

    腰椎(ようつい)は、腰の背骨です。
    ちなみに、腰椎の上は胸椎(きょうつい)です。
    骨盤と腰椎を取り出してみましょう。

    下のイラストは、腰椎と骨盤を前から見たものです。
    緑色に着色してある骨は、第五腰椎です。
    第五腰椎の一つ上の骨は、第四腰椎です。
    一番上の骨は、第一腰椎です。
    第五腰椎の下の骨は、仙骨(せんこつ)です。
    逆三角形の形をしています。




    腰椎は正常では5つあります。

    上から
    第一腰椎
    第二腰椎
    第三腰椎
    第四腰椎
    第五腰椎
    となります。

    腰椎(lumbar)の頭文字をとって、L4とかL5と表現します。

    腰椎は仙骨(せんこつ)の上にあります。
    腰椎の変位が原因で腰痛になる場合は、
    腰椎の土台である仙骨が変位している場合もあります。
    しかし、腰椎と仙骨のゆがみは同時に見極めながら
    別々に施術する必要があります。
    両方を見極めることで、整体施術の幅が広がります。

    因みに、整形外科では仙骨や仙椎が単独でゆがむという
    概念がありません。
    腰痛の85%以上が原因不明に陥る理由の一つがこれに当たります。

    変位とは、あるべき位置から数ミリ程度、上下左右前後斜めに
    骨がずれた状態のものを言います。

    腰椎すべり症なども、腰椎の一つが前方へ変位しているタイプの
    腰痛です。
    変位した骨が元の位置に正しく戻ることを復位と言います。

    ちなみに、変形とは骨や関節の形自体が変化するものをいいます。
    たとえば、変形性膝関節症、変形性腰椎症などです。
    変位とは区別します。

    腰椎のゆがみは仙骨のゆがみと同じ方向ではありません。
    たとえば仙骨が右にゆがんでいるからと言って同じように
    腰椎が右にゆがむわけではありません。
    しかし、同じ方もいますので多種多様です。
    パターンはありません。

    うつ伏せで腰椎が右に倒れている場合を右湾。
    左に倒れている場合は左湾です。

    腰痛でよく耳にするのは、腰椎椎間板ヘルニアでしょう。
    ヘルニアは、腰椎の隙間にありクッションの役目をする
    椎間板の一部が後ろに飛び出して神経を圧迫するものです。

    椎間板ヘルニアの好発部位は
    L4とL5の間、または、L5とS1の間です。
    S1とは、仙骨の一番上の骨で第一仙椎の事です。
    仙骨(sacrum)の頭文字をとってS3やS5などと表現します。
    仙骨は、5つの仙椎が癒合したものです。

    L5とS1の間のヘルニアは、
    足の外側と足底にしびれと知覚異常が表れます。

    L4とL5の間のヘルニアは、
    すねの骨の前と足の甲の真ん中辺りに
    しびれと知覚異常が表れます。

    下の写真は、L5とS1のヘルニアの画像です。
    写真の左側がお腹側、右側が背中側です。
    赤丸印の所が背中側に飛び出して黒く写っています。
    これがヘルニアの部分です。




    知覚異常は、薄い布を一枚被せられた様な感覚で
    皮膚表面を触られても感覚が鈍くなります。
    筋力低下の場合は、つま先をあげにくいなどです。
    低い段差でも頻繁につまづいてしまう事に悩ませれます。

    脊柱管狭窄症は、脊髄神経の通り道が狭くなって
    神経が圧迫を受けるものです。
    歩き続けると脚が痺れてきたり怠くなったりします。
    座って休憩を取ると痛みが緩和されてまた歩けるということを
    繰り返します。

    下のイラストは、脊柱管狭窄症のレントゲン写真です。
    先ほどのヘルニアのレントゲン写真と異なるのは、
    お腹側と背中側の両方から神経が圧迫を受けているという事です。




    腰椎すべり症は、腰椎自体が前後へ文字通り変位するものです。
    痛みの有無は人それぞれで、自覚症状がないまま一生を終える方もいます。
    診断は、レントゲン写真を診て医師が行います。
    数ミリずれるだけですべり症となります。
    5つある腰椎の内のひとつでも数ミリ前方へすべりますと
    腰椎全体のきれいなカーブは描けません。
    腰の軸の力が弱まるのです。

    下のレントゲン写真は、L5が背中側へ変位しているものです。
    赤丸印の骨が、L5です。




    変形性腰椎症は、腰椎の一つ一つの形が変わるものです。
    また、腰椎の上下の縁が孤を描くものもあります。

    下のレントゲン写真の腰椎の形を見ますと
    四隅の角の部分が尖って見えます。
    尖った部分を骨棘(こつきょく)といいます。




    くしゃみやせき、尻餅、転倒などで起こる腰痛のひとつに
    圧迫骨折もあります。
    圧迫骨折を起こすとしばらくは痛みますが、
    数ヶ月で徐々に痛みは引いてきます。
    もちろん、整形外科を受診してください。

    痛みがいつまでも治らない場合は、整体の対象です。
    整形外科に通院して機械で腰を引っ張ったり、ホットパックで暖めたり、
    シップやコルセットで温存したりといろいろ試されます。
    医師が腰骨や腰椎を直接触診して矯正することは
    一般的には殆どありません。

    ある程度、急性期を過ぎても痛みが引かない場合は、
    腰椎のゆがみをチェックできる整体師に診てもらいましょう。

    腰椎自体が変位している(ずれている)場合は、
    うつ伏せの状態で該当の腰椎を触れますと違和感や痛みが出ます。

    巷のマッサージ屋さんや整骨院では、腰椎の変位を確認する事なく
    押したり揉んだりする所が多いので注意が必要でしょう。

    腰椎のゆがみ方には大きく分けて2種類あります。

    一つは、腰椎全体が大まかに湾曲するものです。
    これは、側弯症の方にも多く見受けられます。
    右に湾曲する、あるいは、左に湾曲するなどです。

    二つ目は、腰椎が単独でずれるものです。
    例えば、第一から第五まである腰椎の内、
    第三腰椎が右変位、第五腰椎が左変位、などです。
    好発部位は、第四と第五腰椎です。

    腰椎のゆがみ方は、胸椎頚椎と同じく
    回旋しながら側方移動するものが多いです。
    腰の真ん中、正中線上にありながら
    回旋だけを起こしている腰椎もあります。

    車の運転に例えますと、右左折する前のハンドルは多少きれていて
    タイヤは真っ直ぐではないですが、車体自体は真っ直ぐである状態、
    これが、回旋だけを起こしている腰椎です。

    右左折するためにハンドルを切っている状態で
    若干車体もハンドルに合わせて傾いているものは、
    回旋と側方移動が合わさった腰椎です。

    車の場合は、右にハンドルをきりますと車体も右へ曲がりますが、
    腰椎の場合は、右にハンドルを切りながら左へ変位する場合もあります。
    また、その逆も然りです。

    特に、第五腰椎が変位しますと、痛みははっきり現れます。
    それは、第五腰椎の下にある仙骨との境目にストレスがかかるからです。
    場合によっては、お尻全体がしびれを伴うこともあります。
    第五腰椎を調整しますと、しびれは取れます。

    腰椎が変位する理由が予め分かっていれば、
    多少は気をつける事も出来る可能性がありますね。

    よくお客さんから質問を受けます。
    「どんな姿勢が悪いんですか?」
    私の場合は、「同じ姿勢を続けることが悪いんですよ。」と答えます。
    しかし、これは一般論でしてお客さん自身も既知でしょう。

    の偏った使い方で腰が凝る事も分かっています。
    それは、整体施術にも応用でき、腕の筋肉を緩める事で
    腰の筋肉が緩和する事が分かっています。

    腰椎の変位を調整するために、頚椎を調整する方法もあります。
    これは、頚椎と腰椎が相関している事を意味します。
    腰椎が変位している時、頚椎にも変位があります。
    腰痛が重度で、腰椎自体に直接触れることが困難な場合は、
    この理屈を知っている事で優しい施術が可能になります。

    まだ他にもありますが、長くなりますので割愛します。

    腰椎の変位に起因する腰痛は、全体の10%以下に過ぎません。
    腰痛の原因は他にもまだまだあるのです。


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