頭頂骨の回旋と隣骨

頭の斜め後ろの凹みや左右差は
頭頂骨の回旋を伴います。

ここで言う頭頂骨の回旋は、
頭を真上から見下ろした時に
時計回りか反時計回りに歪むベクトルの事です。

頭頂骨が時計回りに歪む場合、
側頭骨鱗部も同方向に回旋し
左斜め後ろの後頭部の上部が凹みます。

下のイラストは、頭頂部を真上から見下ろしたもので
左の頭頂骨を水色半透明にしてあります。




頭頂骨が反時計回りに歪む場合、
側頭骨鱗部も同方向に回旋し
右斜め後ろの後頭部の上部が凹みます。

下のイラストは、頭頂部を真上から見下ろしたもので
右の頭頂骨を水色半透明にしてあります。




概ね時計回りの歪みでは
左側の冠状縫合の少し後部が盛り上がり
左の頭頂骨は前方変位します。

反時計回りの歪みでは
右側の冠状縫合の少し後部が盛り上がり
右の頭頂骨は前方変位します。

左右の頭頂骨で前後差の歪みが生じるわけです。

頭頂骨の触診で凹凸が感じられる場合は
時計回りか反時計回りの回旋を考慮すると
考え易いでしょう。

冠状縫合(かんじょうほうごう)があるおかげで、
頭頂骨の歪みに対する前頭骨の影響は少ないです。

もし冠状縫合がなければ頭頂骨の歪みストレスを
ダイレクトに受ける事でしょう。

頭頂骨の歪みに対して側頭骨の鱗部(りんぶ)が
同方向に歪むのは、頭頂骨と側頭骨の
繋ぎ目である鱗状縫合(りんじょうほうごう)が
冠状縫合とは異なる形状をしているからかも知れません。

頭蓋にある、冠状縫合、矢状(しじょう)縫合、ラムダ縫合は
鋸状(きょじょう)縫合で、隣合う両骨に鋸歯状の凹凸があり
かみ合っている形状になっています。

鱗状縫合は隣合う両骨の辺縁がうすくとがっていて、
鱗(うろこ)のように重なり合う形状になっています。

その分、頭頂骨と側頭骨の縫合面での接触面積が大きく
鱗部が頭頂骨の回旋方向に対して積極的に影響を
受けやすい形状なのでは、と考えられます。

下のイラストは、右の頭頂骨と側頭骨で外側から見たものです。
側頭骨を水色半透明にすることで頭頂骨と鱗状に重なり合う
部分をイメージしています。
他の脳頭蓋骨は省いています。




頭頂骨と側頭骨の後ろ側にある後頭骨は
縫合面が両骨の間で鋸状で鱗状には重ならないので
例えば側頭骨と後頭骨の歪みベクトルは分けて考える方が
繊細で細微な施術調整が可能になるでしょう。

下のイラストは、頭を右斜め後ろから見たもので
後頭骨を水色半透明にしてあります。
ラムダ縫合は、鱗(うろこ)状には重なりません。




頭頂骨が前方変位する事で鱗部も前方変位し
結果、側頭骨全体の前回転が促され鱗部の異常な
凸形状を助長する結果となっている歪みも
考えられますし、現場ではこのような症例は
少なくありません。


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